【TOEICは転職で意味ない?】点数が効くのは書類選考まで、面接では英語で説明できるかを見られる

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700点で受験をやめ、米国・中国で13年働いた筆者が、採用する側の経験から解説

「TOEICの点数がないと、転職で不利になるのか」 「今から勉強して受けるべきか、それとも意味がないのか」海外転職を考え始めた30代40代の多くが、一度はこの疑問にぶつかります

記事を書いた人
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筆者がTOEICで700点を超えたのは、30代前半でした。

それ以降、一度も受験していません。

それでも、米国と中国の企業で、あわせて13年働いてきました。

米国の企業では、面接でTOEICの点数を聞かれたことは一度もありません。

一方で、日本の企業では点数が応募条件になることがあり、点数がなければ面接まで進めない場面も確かにあります。

この記事では、TOEICの点数が「効く場面」と「効かない場面」を、転職の段階ごとに整理します。

採用する側として面接していた経験と、国別・年代別のデータをもとに、あなたが受けるべきかどうか、そして点数の次に何をすべきかを判断できるようにします。

この記事を読んでいただきたい人
・ TOEICの点数がなく、海外転職で不利にならないか不安な30代40代
・ 今からTOEICを受けるべきか、話す練習を優先すべきか迷っている人
・ 東南アジアの現地採用で、どこまで英語力が必要か知りたい人
この記事でわかること
・ 転職の段階ごとに、TOEICの点数が効く場面と効かない場面
・ 採用する側が面接で、点数の代わりに確認していたこと
・ 目的別の判断表と、点数の次にやるべきこと
結論
・ TOEICの点数は、日系企業の書類選考を通るための条件として必要
・ 面接と入社後の仕事では、流暢さより分かりやすく説明できるかが大切
・ 条件の点数に届いたら、英会話力を伸ばすことに時間を使う
ニオ
ニオ
海外転職経験者
Profile
日本・米国・中国の現地企業で働き、海外駐在と現地採用あわせて13年。英語に自信がない30代40代でも、タイ・ベトナム・インドネシアの現地採用を「応募できる形」まで進めるための“準備の順番”を発信しています。好きな言葉は “Always inspired”。
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点数が先、英会話力が次

先に結論をお伝えします。

TOEICは「意味がある」か「意味がない」かの二択ではありません。

点数がいらないわけではなく、転職の段階によって、判断に使われるものが変わります。

段階 判断に使われるもの あなたがやること
応募の前 求人票の英語の条件 条件が「点数」か「会話のレベル」かを確認する
書類選考 TOEICの点数(主に日系企業) 条件の点数に届かせる
面接 英語で説明できるか 自分の仕事の内容を英語で説明する練習をする
入社後の仕事 英語で仕事を進められるか 会議・確認・調整を英語でやり取りする

点数は書類選考を通るための条件として先に必要になり、面接と入社後の仕事では英会話力が判断されます。

筆者の場合も、30代半ばで700点を超えて書類の条件を満たし、その先の13年は英語での会話を通じて仕事を進めてきました。

ここからは、それぞれの段階を具体的に見ていきます。

TOEICの点数が効く場面

TOEICの点数が力を発揮するのは、あなたと直接話す前に、人事が応募者を比べる場面です。

具体的には、日系企業の書類選考と、社内での海外赴任の選抜の2つです。

年代によって点数の効果が違うことも、データで確認しておきましょう。

日系企業の書類選考:応募条件として点数が使われる

日系企業の求人では、「TOEIC 600点以上」のように、点数が応募条件として書かれることがあります。

特に、海外営業や海外事業部など、英語を使う部署の求人に多い条件です。

人事の担当者は、応募者全員と英語で面接することができません。

そのため、書類の段階で点数を使って応募者を絞り込みます。

点数が条件に届いていないと、面接で英語力を見てもらう前に選考が終わってしまうことがあります。

社内の海外赴任の選抜:候補者を絞り込む目安になる

社内から海外赴任者を選ぶときにも、点数が使われます。

TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会の「英語活用実態調査2019年度」によると、海外赴任者の選抜でTOEICの点数を要件や参考にする可能性がある企業は60.2%で、その平均点は635点でした。

今の会社で海外赴任を目指す人は、まず自分の会社の基準点を人事に確認することが近道です。

年代別のデータ(2014年調査):30代は点数の効果が大きかった

年代によって、TOEICの点数がどのくらい転職に影響するのか。

これを比べたデータとして、大手転職サービスdodaの「英語は転職に有利!?グローバル採用の実態調査2014」があります。

この調査は、2013年度にdodaのエージェントサービスに登録した約34万人と、同じ年度に実際に転職した約1万人のデータをもとにしています。

「転職成功率」は、2013年度中に登録し、同じ年度中に転職した人の割合です。

TOEICを受けていない人の転職成功率を1とした場合、受けている人の転職成功率は次のとおりでした。

TOEICを受けた人の転職成功率(受けていない人を1とした場合)
年代 転職成功率
全体1.23倍
20代1.21倍
30代1.41倍
40代以降1.11倍

出典:doda「英語は転職に有利!?グローバル採用の実態調査2014」(2013年度のdodaエージェントサービス登録者・転職者のデータ)

30代の数字が一番高く、40代以降は低くなっています。

dodaはこの結果について、40代以降は点数よりも実務経験が重視されるためだと説明しています。

30代の人にとっては、点数を持っておく価値が大きいということです。

40代以降の人は、点数を上げることより、英語を使ってきた実務経験を職務経歴書にはっきり書く方が効果的です。

30代が最も高く、40代以降は全体の平均より低い結果でした。dodaはその理由を次のように説明しています。
  1. 30代:
    調査当時の30代が学生だったころは、TOEICを受ける人がまだ多くなかった。そのため、英語力のある30代が社内に少なく、評価されやすかった
  2. 40代以降:
    即戦力が特に求められるため、英語力についても、TOEICの点数より実務経験がどれだけあるかが重視される。1.11倍という数字は、英語力が評価されていないという意味ではない

このデータを読むときの注意点

  • 12年前のデータです。 2013年度のデータなので、今も同じ数字になるとは限りません。年代別に比べた新しい調査は、筆者が調べた範囲では見つかりませんでした。
  • 1社のサービス利用者のデータです。 dodaに登録した人だけが対象で、転職市場全体の数字ではありません。
  • 「受けたかどうか」の比較です。 何点だったかによる違いは、この表からは分かりません。

それでも、点数が書類選考の条件として使われる仕組みは、今も変わっていません。このデータとdodaの説明から言えるのは、次の2つです。

  1. 30代で、英語を使う実務経験がまだ少ない人:
    英語力を示す材料として、点数を持っておく価値がある
  2. 40代以降の人:
    点数を上げることより、英語を使ってきた実務経験を職務経歴書に具体的に書く方が効果的

TOEICの点数が効かない場面

一方で、相手と英語で直接やり取りする場面になると、点数の役割はほとんどなくなります。

面接、海外の企業への応募、東南アジアの現地採用、そして入社後の仕事の4つです。

どの場面でも、点数ではなく、その場で英語を使えるかどうかが判断されます。

①面接:英語で話せば、点数がなくても分かる

面接では、英語で質問され、英語で答えます。

その場で英語力が分かるので、面接官が点数を確かめる必要はありません。

また、TOEIC(Listening & Reading)が測っているのは、聞く力と読む力です。話す力は測っていません。

面接で見られるのは、まさにその話す力です。

②米国企業では、点数を聞かれなかった

筆者が働いた米国の企業では、TOEICの点数を聞かれたことが一度もありません。

英語力は、面接や日々の会話の中で判断されていました。

相手と話せば分かる、という考え方です。

TOEICは日本では広く使われている試験ですが、海外の企業が採用で必ず見る指標ではありません。

海外の企業に応募する場合は、点数を上げるより、英語で仕事の話をする練習に時間を使う方が結果につながります。

③東南アジアの現地採用:条件は点数より「英語日常会話」

タイやベトナムなど東南アジアの日系企業の求人では、英語の条件が「英語日常会話」「ビジネスレベル」「語学不問」のように書かれることが多く、点数で指定される求人は多くありません。

その代わり、取引先と直接やり取りする職種では、面接の中で英語での受け答えを確認されることがあります。

英語を使えると、応募できる求人の幅と給与のレンジが広がるのは事実です。

タイの求人と給与の目安は、こちらの記事で紹介しています。

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④入社後の仕事:流暢さより、分かりやすく説明できるかが大切

入社したあと、TOEICの点数を聞かれることはほぼありません。

仕事で求められるのは、会議で自分の意見を説明する、分からないことをその場で確認する、取引先とメールで調整する、といった英語でのやり取りです。

東南アジアの職場では、一緒に働くタイ人やベトナム人の同僚も、英語を母語としていません。

TOEICを開発するETSの報告によると、英語力の平均は日本と大きく変わりません。

国 聞く・読む(L&R、990点満点) 話す(Speaking、200点満点)
日本564117
タイ531107
ベトナム576123

出典:ETS「2025 Report on Test Takers Worldwide(L&R)」「2024 Report on Test Takers Worldwide(Speaking & Writing)」。学生を含む受験者全体の平均で、30代40代の会社員に限った数字ではありません。

お互いに英語を母語としない者どうしの職場では、難しい言い回しや速い話し方は、かえって伝わりません。

仕事で大切なのは、流暢さより、分かりやすく説明することです。

結論から話す、短い文で区切る、相手が理解したかを確認する。

この3つができる人が、現場で頼りにされます。

採用する側で見ていたのは、点数ではなく説明の仕方

ここからは、筆者が採用する側として面接をしていた経験をお伝えします。

応募者の点数を見る機会はありましたが、採用を判断するときに重視していたのは点数ではありませんでした。

面接で実際に何を見ていたのかを、具体的に紹介します。

点数が高くても仕事の説明ができない応募者はいる

筆者はアメリカ・日本・中国で、採用する側として面接をしていました。

その中には、英語の試験の点数は高いのに、自分の仕事の内容を英語で説明できない応募者がいました。

試験の点数と、仕事で英語を使えるかどうかは、別の力です。点数が高い人を責める話ではありません。

試験で測れるのは英語力の一部だけ、という当たり前の事実です。

面接で確認していた2つのこと

面接で筆者が見ていたのは、次の2つでした
  1. 丁寧に説明しようとしているか 英語が第二言語の応募者の場合、発音や文法の正しさより、相手に伝わるように順序立てて説明しようとしているかを見ていました。英語を母語とする応募者の場合も同じです。勢いで話すのではなく、丁寧に説明できるかを見ていました。面接でも、流暢さより分かりやすさが評価されます。
  2. 分からないときに聞き返せるか 知らない単語が出たときに、黙り込まずに「Could you say that another way?(別の言い方をしてもらえますか?)」と聞ける人は、仕事でも会話を止めません。完璧に聞き取れることより、確認しながら会話を続けられることの方が大切です。

どちらも、TOEICの点数には表れない力です。

あなたはTOEICを受けるべきか:目的別の判断表

自分の目的に当てはめて、受けるべきかどうかを判断してください。

あなたの目的 TOEICを受けるべきか やること
日系企業の海外営業・海外事業部に転職したい 受けるべき 応募したい求人の条件の点数を確認し、そこを目標にする
今の会社で海外赴任を目指したい 会社の基準しだい 人事に選抜の基準点を確認する
米国など海外の企業に転職したい 優先度は低い 英語で仕事の内容を説明する練習を優先する
東南アジアの日系企業に現地採用で転職したい 優先度は低い 求人の英語の条件を確認し、面接での受け答えを練習する
30代で、英語を使う実務経験がまだ少ない 受ける価値が高い 点数を、英語力を示す材料として職務経歴書に書く
40代以降で、英語を使う実務経験がある 必須ではない 英語を使った業務の実績を、職務経歴書に具体的に書く

※求人ごとに条件は異なります。応募前に、必ず求人票の英語の条件を確認してください。

筆者が700点を超えたあとに受験をやめたのは、その時点で必要な条件に届いていたからです。

条件の点数に届いたら、それ以上は点数を上げるより、英会話力を実務で伸ばすことに時間を使う。

これが、筆者の経験から言える一番現実的な使い方です。

点数の次にやること:英会話力を伸ばして、面接と仕事に備える

条件の点数に届いた人も、点数がまだない人も、次の4つに取り組めば、面接での印象が良くなり、入社後の仕事にもそのまま役立ちます。

  1. 職務経歴書に、英語を使った業務を具体的に書く 「英語が話せます」ではなく、「海外拠点との週1回の会議を英語で進行」「英語の仕様書を作成し、海外の取引先と調整」のように、何を・どのくらいの頻度で・誰と英語でしたかを書きます。
  2. 英文の職務経歴書(英文CV)を用意する 英文CVそのものが、英語で自分の経歴を説明できる証拠になります。 →アジア転Note支店:【英語が不安】それでも通る”英文CV”
  3. オンライン英会話で「説明する」と「聞き返す」を練習する レッスンを雑談で終わらせず、毎回次の2つを練習します。

    自分の仕事の内容を、結論・理由・具体例の順に英語で説明する
    分からない単語が出たら、「Could you say that another way?」と聞き返して会話を続ける 学習法が自分に合うかどうかは、こちらの記事で整理しています。 →アジ転ブログ【アジア転職前の英語対策】QQイングリッシュ(カランメソッド)|あなたは”向いてる?向いていない?

  4. 面接の質問に、英語で答える準備をする よく聞かれる質問への答えを、短い英文で用意しておきます。 →アジ転ブログ【面接で詰まらない?】タイ現地採用|頻出質問10+模範回答で対策
英会話力の目標は、次の2つができるかどうかで判断してください。
  1. 自分の仕事の内容を、英語で1分間、分かりやすく説明できる
  2. 知らない単語が出ても、聞き返して会話を続けられる

よくある質問(FAQ)

Q1. 転職では、TOEICは何点あればいいですか?

A:決まった点数はありません。応募したい求人の条件に書かれている点数が、あなたの目標です。日系企業の英語を使う部署では700点以上が条件になることがありますが、求人によって違います。まず応募先の条件を確認してください。

Q2.何年も前のスコアを、職務経歴書に書いてもいいですか?

A:書くことはできます。ただし、TOEICの公式認定証の再発行は受験日から2年以内に限られるため、応募先によっては最近のスコアを求められることがあります。古いスコアを書く場合は、受験した年も一緒に書きましょう。

Q3.話す力を証明できる試験はありますか?

A:TOEICには、話す力と書く力を測る「TOEIC Speaking & Writing Tests」があります。ただし、面接で英語での受け答えを確認される場合は、試験の点数より、その場で分かりやすく説明できるかが重視されます。

Q4.東南アジアの現地採用で、TOEICは必要ですか?

A:多くの求人では必須ではありません。求人の英語の条件は「英語日常会話」「語学不問」などの書き方が多いからです。ただし、取引先と直接やり取りする職種では、面接で英語での受け答えを確認されることがあります。

Q5.40代で、今からTOEICを受ける意味はありますか?

A:応募したい求人の条件に点数があるなら、受ける意味があります。条件がない場合は、点数を上げるより、英語を使ってきた実務経験を職務経歴書に具体的に書き、英会話力を伸ばす方が効果的です。

まとめ|点数は書類選考の条件、面接と仕事では分かりやすく説明できる英語力が大切

  1. TOEICの点数は、書類選考を通るための条件として必要:
    特に日系企業では、点数が条件に届いていないと面接まで進めないことがあります。30代は点数を持っておく価値が大きくなります。
  2. 面接と入社後の仕事では、流暢さより分かりやすく説明できるかが大切:
    東南アジアの職場では同僚も英語を母語としていないため、結論から短く話し、分からないときは聞き返せる人が頼りにされます。
  3. 条件の点数に届いたら、英会話力を伸ばすことに時間を使う:
    面接での印象が良くなり、入社後の仕事でもそのまま役立ちます。
今日からできること
  • 応募したい求人を3件選び、英語の条件(点数か、会話のレベルか)を確認する
  • 職務経歴書に、英語を使った業務を1つ、具体的に書き足す
  • 自分の仕事の内容を、英語で1分間説明する練習をする

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